木曽路はすべて山の中。
島崎藤村の名作「夜明け前」の一節で有名な木曽路は、新緑や紅葉、冬は雪景色が美しい森に囲まれた1年を通して観光を楽しめるエリアです。
木曽地域の9割が森林とも言われ、昔は年貢として木を収める木年貢が課せられていたほど林業が盛んで、多くのお寺や神社などの建築で使われる木曽檜は有名で、漆器などの工芸品も人気です。
江戸時代以降から御嶽信仰が全国に広まり、多くの人が木曽地域に訪れる様になり、山間を流れる木曽川の周辺に11の宿場ができました。
特に馬籠宿と奈良井宿は人気エリアで、海外から観光に来ている人も多いです。
奈良井宿とは
奈良井千宿と称されるほど賑わい、全長は約1kmにもおよび日本最長とも言われる大きな宿場町の奈良井宿。
木曽11宿の中で最も標高の高い鳥居峠の麓にあり、宿屋だけでなく酒屋や飲食関係お店など多くのお店が軒を連ねていた姿を、今でも見ることができます。
2階が迫り出すような出梁(だしばり)造りと呼ばれる独特な作りの建物や、飲用できるほど綺麗な湧き水が引かれた水場など、当時の暮らしぶりを見たり体験することができるほどきれいに保存されたおります。
街中には、郷土料理の五平餅やお焼きを食べれるお店や、木曽漆器の食器や小物を販売しているお土産店もあります。
日の出直前や夕暮れ時には、とてもノスタルジックで幻想的な景観を楽しむことができます。
龍が舞う天井
奈良井宿の観光で、ぜひ観ていただきたいのが長泉寺の天井に描かれた「龍の大天井絵」です。
本堂に入って天井を見上げると、まるで自分が睨まれている様な迫力に圧巻されます。
作者は、飛騨の匠「山口権之正 やまぐち ごんのかみ」で、明治時代に書かれたそうです。
大きさは、長さ約20m 幅3.5mととても大きいです。
昭和後期までは、龍の目の下で手を叩くと、反響で独特な音がする「鳴き龍」とても有名でしたが、建物の老朽化などで独特の反響がしなくなってしまったそうで残念です。
長泉寺は、1366年(貞治5年)に創建された歴史ある寺院で何度か火災に遭ったり移転などがあり1866年(慶応2年)に現在の地に建て直されたみたいです。
お庭には、大きく手入れされた松の木、菩薩様の石像や六地蔵など見どころいっぱいです。
奈良井宿へのアクセス
奈良井宿は、車でも電車でもアクセスが良いです。
東京方面から来る場合は、中央道 塩尻ICから国道19号線を利用。 塩尻ICからは40分ほどです。
また伊那ICから権平トンネルを経由して来るルートもありますが、けっこうな山道ですので冬季は特に注意が必要です。 伊那ICからは30分ほどです。
名古屋方面からの来る場合は、上記の伊那ICか中津川ICから国道19号線を利用するのが便利です。 中津川ICからは90分ほどです。
駐車場は、無料の駐車場が3ヶ所、有料駐車場が3ヶ所あります。
奈良井宿の中は、一般車の通行はできませのでのでご注意ください。
国道19号線は、大型車の通行が多く、天候などで通行止めになることもありますので、SNSなどで確認してからですと安心です。
電車の場合は、JR中央本線の奈良井駅が最寄駅で、奈良井宿まで徒歩2〜3分です。
アクセスマップアクセスマップ
宿泊してゆっくり観光
奈良井宿には、10軒ほど旅館があります。
まるで時代劇のセットの様に感じる、昔のままの姿で旅籠と呼びたくなるような旅館や、おしゃれにリニューアルされたり露天風呂のついたお部屋の旅館などあります。
ただ、どの旅館もお部屋の数があまり多くはないので、お気に入りの旅館がみつかたら早めに予約した方がいいかもしれません。
また、飲食店は閉店時間が早いので、お食事が付いているプランがおすすめです。
宿泊すると、賑やかだった江戸時代に思いをはせたり、夜景や朝夕の景色など特別な景色を楽しむことができます。
まとめ
長野県には、江戸時代の五街道の一つ中山道が通っていて、かつての様子がそのままに保存されている場所が多くあります。
その数は26程ですが、木曽には11もの宿場町の面影が今でも大切に保存されてます。
中山道の宿場町は69ほどですので、いかに木曽が通行が困難であったり賑わっていたのかが窺えます。
観光では、馬籠宿や妻籠宿が人気ですが、他にも薮原宿や福島宿はスキー場にも近く人気です。
その中で、奈良井宿は当時の建物や面影がそのままに今でも保存さており、雰囲気や郷土料理などで当時の様子を体感することもできることで人気です。
エリア内には旅館や民宿もあり、実際に泊まって生活ぶりを体験することもできます。
駐車場も多く、駅からは徒歩3分ほどでとても交通の便も良いでおすすめします。